STORY Vol.6
「塩⾟を⾷べ⽐べてみて、
これはスゴイ!と思って」
宮城県気仙沼市
福幸酒場おだづまっこ 熊⾕恵さん
「昔ながらの濃厚熟成塩⾟」を気に⼊って、お店で出してくれている居酒屋さんがあります。どうしてメニューに取り⼊れてくださったのか?お客様の反応はどうか?おかみさんの熊⾕さんにお話を伺いました。
「昔ながら」をお店で
出すようになって10年。
「昔ながらの濃厚熟成塩⾟」を店でメニューとして出すようになったのは、うちが震災後に仮設店舗で営業していた頃からなので10年以上になりますね。
塩⾟はおつまみとして⽋かせないので、当時いろいろなメーカーのものを買っては味⾒をして、お客様の反応を⾒ながら試していました。
「昔ながら」も、最初はスーパーとかで⾒かけて買いました。商品⾃体は波座さんのSNSで知っていて、「熟成」という⾔葉に惹かれて気になっていました。
うちの親⽅(熊⾕さんのご主⼈)と⾷べたら、「なんだ、これは!」ってなって。親⽅も塩⾟が好きなので「これにしよう!」と即決。それからは、ずっと店で出しています。
かつてはスーパーで
買い占めていたことも。
でも、その頃はなかなか商品が買えなかったんですよね。買っておいた分が無くなると、しばらく店で出せなくなって。だから、スーパーで売ってるものを買い占めたりね(笑)。
その後、お客さんとして来てくれた波座の朝⽥さんに「なかなか買えないんだよ〜」って⾔ったら、「連絡していただければ、ご⽤意しておきます」と⾔ってくれて。それからは⼯場へ直接仕⼊れに⾏ってます。
飲めば、みんな陽気な
「おだづまっこ」に。
店名の「おだづまっこ」は親⽅が決めました。「おだづ」が「ふざける」という意味で、「まっこ」の「こ」は「⼦ども」。「ふざけん坊」とか「お調⼦者」などを指す⽅⾔です。
うちの親⽅が⼦どもの頃、じいちゃんばあちゃんにずっと⾔われてたので、店をやるなら「おだづまっこ」にすると開業前から⾔ってました(笑)。「お酒を飲めば誰でも、おだづまっこになるでしょ」という気持ちも込めています。
波座・朝⽥:そうだったんですか。意味は知ってたんですけど、由来は初めて聞きました。そんな思いが込められた名前だったんですね。良い店名ですね。
看板メニューの刺盛りは、
親⽅ならでは。
親⽅は料理好きというよりは、お酒が好き。調理は、だいたい私がやります。親⽅は刺場(さしば)。お刺⾝担当です。
朝⽥:昨⽇いただいた、あの美味しい刺盛り。インパクトが凄かったですね。出された瞬間、美味しそう!って思いました。
親⽅は、店を始めてから刺し⾝をさばけるようになったので、元々センスがあったんでしょうね。私はお刺⾝は⼀切やりません。ああいうのを出されてしまうと、⼿を出せません(笑)。
盛り⽅はパッと頭に浮かぶみたいですね。器にこう並べようって。ネタも⽇によって変わるから、盛り付けも毎回違います。
「昔ながら」は⾃然な⾊。
⼿作り感がある。
「昔ながら」はいつも思うんですけど、⾃然な⾊ですよね。着⾊されてるように⾒える塩⾟も⾒かけることがあるじゃないですか。
これを初めて⾷べた時は、やっぱり「美味しい」ってなったし、なんか⼿作り感がある。ほんと、⾃然な感じがしましたね。
「昔ながら」の濃厚さは、
⾟⼝の酒によく合う。
お客様は、けっこう飲み物に合わせておつまみを頼むんです。最初にビールなら揚げ物をまず頼んで、お刺⾝を頼むから⽇本酒にしようってなって。刺し⾝が終わったら、塩⾟にいく。塩⾟はやっぱり⽇本酒に合いますからね。
そういう感じで、お客様が勝⼿にマリアージュして(笑)、酒に合わせてつまみを注⽂されますよね。よく分かっている。凄いなって思います。
気仙沼には「男⼭(おとこやま)」さんと「⾓星(かくぼし)」さんという⼆⼤酒蔵があって、どちらのお酒もすごく美味しいんですけど、「昔ながら」はその地酒に合いますね。
味が濃厚だから⾟⼝が合うかな。例えば、超⾟⼝の「⽔⿃記(みずとりき)」という銘柄があるんですけど、あれも合いますね。男⼭さんなら「蒼天伝(そうてんでん)」。「男⼭」というお酒もあるんですけど、うちは「蒼天伝」にしています。
朝⽥:わかります。⾟⼝でガツンとくるような感じの⽇本酒が合う気がしますね。好みかも知れませんが。「昔ながら」の濃厚さを切るような感じが、⾟⼝の酒はいいですよね。
地元を応援したいので、
メニューには企業名も記す。
朝⽥:メニューに「濃厚熟成イカ塩⾟」に加えて、企業名の「波座物産」まで書いてくださってるんですよね。
観光でお越しになるお客様も多いですし、地元の逸品を紹介できたら良いなと思って。⾷べたお客さんが美味しいと思って買ってくれたらうれしいですね。
朝⽥:いろいろな会社の商品を紹介されていますよね。「ありがたいな」と思っていました。
お互いの活性化になれば良いなと思って。美味しいから、「どこの塩⾟?親⽅が作ったの?」ってよく聞かれます。「ちゃんとそこに書いてあるでしょ」って伝えています(笑)
うちのオススメは、
「じゃがバター」に塩⾟。
北海道には、「じゃがバター」に塩⾟を乗せると聞いたことがあって。うちの「じゃがバター」は、じゃがいもをスライスして揚げてバターを乗せるんですけど、そこに塩⾟を乗せる「塩⾟プラス」というメニューも作りました。
「じゃがバター」と塩⾟を別々に頼んで、⾃分で塩⾟を乗せて⾷べてる⽅がけっこういるので、それなら最初から乗せてあげるメニューにしようと始めました。
塩⾟⽤の七味もいい。
気に⼊ってる。
朝⽥:ワインにも⼒を⼊れていると聞いていますが、ワインと合わせるならバゲットかクラッカーにクリームチーズと塩⾟を乗せて黒胡椒をふって⾷べるのも美味しいですよ。
あ、いいねえ。
朝⽥:七味唐⾟⼦なら⽇本酒に合うし、黒胡椒だとワインに合います。
この塩⾟⽤の七味唐⾟⼦もいいよね。⾟いのが好きだから気に⼊ってます。有名なお店に頼んで作ってもらったんでしょ?
朝⽥:コロナで時間に余裕ができた時に何かできないかと探している中で思いつき、⻑野にある⽼舗の唐⾟⼦専⾨店「⼋幡屋礒五郎」さんに問い合わせたんですよ。調合してもらうには現地に⾏かなければならないので⾜を運んで、塩⾟の⾊に合うように⾊みも考えて調合してもらいました。
アイデアがすごいよね。塩⾟の⾃動販売機にも驚いたし。
朝⽥:⾃販機で、あれほど売れるとは思いませんでした(笑)
⾃販機が置かれている場所も⼯場の脇だから、⼈が通るような場所じゃないのに。地元の⼈も観光の⼈も、わざわざ買いに⾏くわけだからすごいね。
朝⽥:⼈通りの多い場所ならもっと売れるのかなと思って、他の場所も探しています。
いつか、うちの前にも置いてください。私たちも簡単に買えるし(笑)
朝⽥:それは良いですね。前向きに考えます!
取材を終えて。
波座・朝田慶太
お店で「昔ながら」を推していただき、ありがとうございます!
「おだづまっこ」さんには客としてよく伺っていますが、東京などから誰か来て飲む時も、いつもこちら。気仙沼ならではの⾷材を楽しんでもらえるので「鉄板」です。居酒屋の⽅に「昔ながら」を気に⼊っていただけたことは、私たちとしてはとても⾃信になります。これからも、よろしくお願いします。
福幸酒場おだづまっこ
気仙沼の⾷材をメインとしたアットホームな居酒屋。地元の常連客や観光客でいつも賑わっている。刺盛りは絶品。気仙沼の地酒をはじめ、ドリンクメニューも豊富に揃えている。
営業時間:17:00〜23:00
定休⽇:⽇曜⽇
電話:0226-24-0205
https://www.facebook.com/odazumacco.kesennuma